テロとの戦い fight against terrorism 2005 11 13
「テロとの戦い」とは、貧困との戦いです。
大昔のインドでは、このような教えがありました。
「修業して、功徳を積めば、
もう二度と、この世に生まれ変わらなくて済む」という教えです。
これは、地上天国のような生活をしている先進国の人たちには、
とうてい理解できない教えでしょう。
しかし、当時の生活環境を考えれば、
気象条件が厳しく、食べ物も少なく、誰もが貧しい状態でした。
しかも、疫病は、いつも流行し、医学というものはなかったのです。
このような環境では、生きていても地獄と感じるでしょう。
だから、そういう教えがあったのです。
現代においても、発展途上国においては、
大昔のインドと同じような環境に置かれている人たちが多いでしょう。
気象条件が厳しく、いつも食べるものが少なく、飲み水も不足し、
疫病は、いつも流行し、薬を買う資金もありません。
これでは、生きていても、地獄のようなものです。
そういう生活環境で、政治指導者や宗教指導者が、
彼らの言う「正義」のために、戦って死ねば、天国に行けると指導したら、
どうなるでしょうか。
次々と、戦って、死ぬでしょう。
彼らは、死ぬために戦い、
先進国の兵士は、生きるために戦う。
このような非対称的な戦いは、いつまでも続くかもしれません。
「どうして、彼らは、自分の命まで捨てて戦うのか、わからない」と言う人は、
発展途上国の人たちの苦しみを理解していないし、
自らは、豊かさの海に溺れているのです。
「テロとの戦い」は、貧困との闘いです。